2024年からYouTubeでは、新しいルールが導入されました。動画の中に「改変や合成された要素」が含まれている場合、公開時に申告する必要があるというものです。2025年7月には収益化の規定も改定され、このルールは完全に定着しました。
この仕組みはニュースや政治だけでなく、音楽分野にも関わってきます。特に「歌ってみた」や「AIカバー」のように人の声と技術が重なるジャンルでは、これまで以上に透明性が求められています。
【補正と合成の境界線を理解することが大切です】
音程やリズムを整える、歌い直しをせずに音符を修正する。これらは従来の録音編集と同じ扱いで、開示の必要はありません。
一方で、声質を別人のように変える処理や、AIによる自動コーラス生成、本人が歌っていない部分をAIがリアルに作り出す場合は「合成」とみなされ、開示が必要になります。
つまり、自分の声をベースにした補正は問題なく、存在しない声を生成したときだけ開示義務が生じるというのが現実的な整理です。
【責任の所在も整理しておきましょう】
開示の主体は動画を公開するクリエイター本人です。アップロード時にチェックを行い、必要があれば説明を加えるのは公開者の役割です。
ただし制作過程を最もよく知っているのはスタジオやエンジニアです。合成要素を含めて制作した場合、クライアントが意識せず公開すれば、後に問題化する可能性もあります。スタジオも「直接の義務主体」ではなくとも、透明性を支える立場としての役割を担います。
クライアントが持ち込む音源については、その生成過程をスタジオが知ることはできません。この場合の責任は完全に製作者本人にあります。ただし「このスタジオで仕上げた」と言及される可能性を考えれば、免責条項や申告欄を用意しておくのが望ましい対応です。
【新しいルールを伝える際には、堅苦しい説明ではなく安心感を示すことが大切です】
「規則だから従ってください」ではなく「削除されないための安心を整えています」と伝える。すべての人に一律で求めるのではなく、必要なときに柔らかく案内する。そして内部的に制作記録を残し、必要に応じて提示できる体制を整える。
これにより、クリエイターは余計な負担を感じずに創作に集中でき、スタジオは安心して制作を支えられる環境を提供できます。
【まとめると次の通りです】
・自分の声をベースにした補正や修正は従来通り問題ない
・存在しない声をリアルに生成した場合にのみ開示義務が発生する
・公開の責任はクリエイター本人にあるが、スタジオも透明性を支える役割を持つ
・義務ではなく安心としての支援体制を整えることが重要
透明性は新しい責務であると同時に、作品を守る盾でもあります。スタジオは「負担を増やす場所」ではなく「安心して表現できる場所」であるべきです。
神宮前レコーディングスタジオでは、このような視点から制作環境を整えています。安心して創作を続けたい方は、公式サイトもご覧ください。
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